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当院の取り組み

血液浄化療法

血液透析

血液を体外に取り出します。
取り出された血液は血液回路を通り、ダイアライザーという人工腎臓の中を通ります。
ここを通過する際、血液と透析液とが互いに触れ合うことで物質の交換が行われ血液が浄化されます。
当院で使用する透析液は超純水透析液で、体内に直接入れても問題にならないレベルです。

オンラインHDF、IHDFについて

オンラインHDFは通常の透析と異なり、濾過と補液を行うことで透析では除去できない毒素を除去します。血圧低下痒みなどに効果が期待できます。
IHDFは透析液を一定のタイミングで間歇的に補液することで、治療中に体内水分量が減少する際に懸念される血圧低下を防ぎ、ダイアライザ(人工腎臓)が補液する度に目詰まりのない除去性能に優れた状態を維持することが出来るため同じ透析時間でもより多くの毒素を除去することに期待ができます。

当院では2016年からIHDFを積極的に導入しています。

水質管理について

透析では水質管理が非常に重要とされています。
当院では経験豊富な臨床工学技士によって年間計画を作成し検査を行い、水質は超純水透析液の基準を満たし、常に清潔な水質状態を維持しています。

その他の血液浄化療法

LDL吸着療法

LDL吸着療法とは、血液透析と同様に血液を体外循環させます。その血液の血漿成分に含まれるLDLコレステロールを専用のビーズに吸着させる治療法です。

LDL吸着療法の適応疾患
家族性高コレステロール血症(FH)・・・・・・・・週1回
薬物治療に反応しない閉塞性動脈硬化症(ASO)・・3か月で10回
薬物治療に反応しない巣状糸球体硬化症(FGS)・・3か月で12回
治療方法は血液透析と同様で、針を2本刺しそこから脱血・返血を行います。治療時間は2~3時間程度です(※処理量により異なります)。

治療効果

LDLコレステロールが高値になると、動脈硬化が促進され心筋梗塞などの危険が高まります。つまり、LDLコレステロールを除去することで血流が良くなり、血管が拡がりやすくなるため酸素や栄養が体内に行き渡りやすくなります。また、長時間継続することで冠動脈疾患の発現や再発を防ぐことが出来るという研究報告もあります。

LDL吸着療法による合併症

LDL吸着療法中に起こりやすい症状として、出血・血圧低下・不整脈・痒みなどのアレルギー反応などがあります。場合によっては、呼吸困難などを起こす可能性もあり、アレルギー反応に対してステロイドなどの薬物投与を行う場合があります。また、高血圧の治療などに用いられるACE阻害薬との併用は血圧低下を起こす危険があるため、LDL吸着療法を行う際はACE阻害薬の内服は中止することが原則となっています。

合併症対策

フットケア

フット(=足)、ケア(=配慮しながらお手入れする)という意味で、足をよく見て・触って、異常(皮膚の変化、傷や炎症、血行障害や知覚障害など…)の有無を確認するために行います。
問題がない場合は、現在のきれいな足を保てるようにお手入れすることが大切です。
もし、足に異常があったら、その症状にあったお手入れや治療が必要となります。

フットケアの必要性

糖尿病や透析治療を受けておられる患者様の足は、足の冷え・しびれ・痛み、潰瘍の形成、などが起こりやすくなっています。その原因は、動脈硬化や末梢血管障害のために血液の循環が悪くなるからです。さらに、血液の循環が悪化した場合、足の切断に至る場合もあります。
また、糖尿病の患者様は、神経障害により足の感覚が鈍くなり、足の異常の早期発見を困難にしています。そのため、フットケアによる足の症状の早期発見・早期治療が必要となるのです!

私たちの取り組み

1、フットチェック

血液の循環状態・知覚障害の把握、皮膚の状態、傷の有無、など足の異常を早期発見するために定期的・継続的に足の観察を行います。
傷がある場合は適切な処置を行います。
患者様とのコミュニケーションを図りながら、
日々の生活で気付いたことや気になることなどをお話いただき、ケアに活かしてまいります。
爪切り・たこ削りの方法や注意点を指導・説明いたします。またご高齢の方や目の不自由な方で、ご自身でお手入れができない方の爪切り・たこ削りを行います。

定期検査

1、体水分量測定

体内に微量な電流を流した際に発生するインピーダンス(抵抗)から、体内の水分量・筋肉量などを測定します。透析患者さんでは、適正体重の評価や栄養評価にも使用されています。
ベッドで仰向きになり、両手足にセンサーを装着し測定します。検査時間は5分程度です。

2、CAVI(血圧脈波検査)

動脈硬化や閉塞の有無を調べます。
下肢の動脈硬化症早期発見のために・・・ CAVI※詳しくはこちら
自宅でできるフットケア・・・ 足のセルフケア※詳しくはこちら

3、SPP検査【皮膚組織潅流圧検査】

末梢血管領域において、下肢虚血の重症度評価は治療する上で重要で、皮膚組織灌流圧(以下 SPPと略す)は、その重症度を評価する検査法の1つです。
SPPは文字通り、皮膚のレベルの灌流圧を意味し、皮膚のレベルの微小循環の指標で、どの程度の圧で微小循環が灌流しているかを示しています。
<SPP検査の流れと注意点>
  1. 患者様に四肢を心臓と同じ位の高さにして、楽な状態で仰向けに寝てもらいます。
  2. 検査部位を選択します。
  3. カフを測定部位にしっかり巻き、測定を始めます。
    その際、あらかじめ、測定部位にカフから圧力が加えられる事を患者様に知らせておきます。会話を含め患者様の動きは不正確な結果を導いたり、結果が出なかったり、検査タイムアウトの原因になるので注意します。
  4. 1測定部位 5分程度で終了します。
<SPP検査結果>
SPP<30mmHg 重症虚血肢
SPP≦40mmHg 潰瘍治療の可能性が高い
<SPPの適応>
  1. 重症虚血肢(CLI)のアセスメント
  2. PTA、下肢バイパス術のモニターリング
  3. 難治性潰瘍の治癒予測
  4. 四肢切断レベルの判定
  5. 糖尿病性足病変などの石灰化症例の重症度評価
SPPはABI測定などでは評価が難しい浮腫や、糖尿病などによる血管の石灰化を伴う患者様でも比較的、容易に検査ができ、また最末梢の足部皮膚レベルの評価が可能です。

栄養指導

充実した透析生活を過ごすことができるよう管理栄養士が栄養や食事に関する相談を定期的に行っているほか、栄養バランスのとれた食事を提供しています。
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